白癬症の顕微鏡検査はKOH検査(カセイカリ→苛性カリ鏡検法)といいます。まず患部の角質層を削りとりますが、角質層は白く剥けた部分や水泡の外側の膜をピンセットで少量取るだけなので、殆ど痛みはありません。
その採取した角質層をプレパラートと呼ばれるスライドガラスにのせて、カバーのガラスをかぶせ20%のカセイカリ液を少量注入します。これは強いアルカリ性であるカセイカリ(水酸化カリウム)を主成分とする溶液で角質層を溶かし、アルカリ性では溶けない白癬菌だけを抽出するためです。その後に60~70℃で数分加熱し、詳しく顕微鏡で検査していくのです。
この白癬菌の特徴は、糸状の細長い菌糸が伸びていて、ところどころに竹の節状の隔壁があります。これが数珠で連結しており、やがてそれぞれが離れて周囲に飛び散り繁殖していくのです。このKOH検査では、経験のある専門医だと10分程度で検査結果が出て白鮮菌の存在自体は確認できますが、白鮮菌の種類を詳しく特定するのには至りません。
真菌(カビ)の寄生と感染によって発生する病気を一括して真菌症と呼びますが、死んだ細胞で形成される角層の表面に寄生するカビの感染症が表在性真菌症と分類されていて、白癬症のほかには癜風、皮膚カンジダ症などが挙げられます。この内の癜風菌は体幹などの脂漏(しろう)部位に胞子の形でいて、高温多湿の環境において癜風菌が増殖し、菌糸形に形状が変化するなど白癬症と症状がよく似ていて診断には注意が必要なのです。
カビが原因で発症する人間の病気で白癬が一番多いと思われていますが、その他にも皮膚糸状菌症として起こる病気に渦状癬、黄癬などがあります。これらは、全て白癬菌の近縁菌なのです。このように、同じような症状でも全く異なる病気の場合があり、専門医師の適切な診断なしでは完全な治癒には至らないのです。